無機塗料のメリット

 無機塗料は、主にケイ素などの無機物によって作られている塗料です。この塗料には様々なメリットがあって、耐用年数は比較的長いです。また他の外壁塗料と比べると、耐火性も比較的優れていますし、汚れに関するメリットもあります。

外壁塗料

耐用年数が非常に長い

 外壁塗料を選ぶ時には、しばしば耐用年数がポイントになります。塗料によって年数も異なるのですが、耐用年数は長いに越した事はありません。あまり長持ちしなければ、塗り替え作業を行う必要があり、少々面倒です。
全体的には耐用年数が10年ぐらいの塗料が多いです。ラジカル系や光触媒などは10年ぐらいになりますし、ウレタン系なら8年目安になります。アクリル系の塗料ですと、6年ぐらいしか持ちません。あらゆる外壁塗料を比べてみると、耐用年数が15年程度なら比較的長い方です。
 冒頭で触れた無機塗料は、耐用年数は15年を誇っているのです。しかも15年というのは、あくまでも最低年数になります。塗料の状況によっては、20年ぐらい効果が続いてくれる事もあります。あらゆる外壁塗料の中でも、無機塗料は耐用年数が一番長いのです。効果が長く続くのは、この塗料のメリットの1つなのです。

耐候性が強いので長持ちする

 なぜ無機塗料の耐用年数は長いかと言うと、耐候性です。
 そもそも外壁塗料を建物に塗っても、すぐに劣化してしまうケースがあります。その理由の1つは紫外線なのです。紫外線は、人間の肌にも悪影響があるでしょう。日光は、建物に対する塗料の寿命を縮めてしまうのです。
ですが無機塗料の場合は、紫外線には非常に強いです。たとえ長い日数に渡って紫外線が照射され続けても、簡単には劣化しないのです。

カビが生えづらくなる

 ところで建物には、カビという脅威があります。建物にそれが生えてしまうのはあまり望ましくないのですが、それには2つの理由があるのです。
 1つ目は美観です。建物の外壁に多くのカビが生えているのは、あまり見た目が良くないでしょう。

 2つ目は建物の劣化で、カビやコケの根元には根酸という物質があります。pH値は酸性寄りなのですが、そもそも建物はアルカリ性なのです。そこに酸性のコケやカビなどが生えてしまうと、建物の劣化スピードは早くなってしまいます。

 無機塗料には、そのカビやコケに関するメリットがあるのです。一旦その塗料の施工を行っておけば、カビが生えづらくなります。上記でも少々触れましたが、その塗料の成分は無機物ですから、簡単にはカビが生えない仕組みになっているのです。
 もちろん建物にカビが生えなくなれば、劣化のスピードも遅くなるでしょう。それは無機塗料のメリットの1つなのです。

燃えづらい性質がある

 建物は、火災とは無関係ではありません。何らかの原因で、建物が燃えてしまう可能性は大いにあります。一旦建物が燃えてしまうと、延焼も心配でしょう。近所に火の手が燃え広がってしまうのは、大変困ります。ですから不動産物件の耐火性は、とても大切なのです。
 ところで上述の無機塗料には、その火災に関するメリットがあるのです。その塗料には、基本的には炭素などは含まれていません。あくまでも無機物で作られているので、燃焼しづらいです。少なくとも有機塗料と比べれば、遥かに燃え広がりづらいです。ですから建物にその塗料を塗っておけば、万が一の火災リスクを低くする事もできます。

静電気が発生しづらい

 ところで無機塗料には、静電気に関する特徴があるのです。それだけに、建物の美観も損なわれづらいです。
 どういう事かというと、古い建物は汚れているケースも多々あるでしょう。なぜ汚れるかというと、静電気なのです。静電気は、空気中のホコリなどを引き寄せてしまう性質があります。また水も含みやすくなってしまうので、建物にカビなども生えやすくなるのです。
 ですが建物の静電気は、ある程度抑制する事もできます。その方法の1つが、上述の無機塗料なのです。
 無機物は、静電気などは発生しづらい性質があります。ですから無機塗料の施工が行われた建物は、汚れなども付着しづらいです。建物の見た目が悪くなりづらいのは、無機塗料のメリットの1つです。

雨水に強い性質がある

 そして無機塗料には、雨水に関するメリットもあるのです。数ある塗料の中でも、水に強いのです。
 そもそも外壁塗装が劣化してしまう理由の1つは、雨水です。長い年月に渡って雨水が当たり続けると、塗料にも大きな負担が加わってしまいます。雨水は、塗料の寿命を短くしてしまうのです。
 その点無機塗料は、問題ありません。この塗料は紫外線に強いだけでなく、雨水にも強い性質があります。多少は雨水が当たり続けたところで、簡単には劣化しません。耐用年数は15年ぐらいを誇っているのですが、それも雨水に強いからです。
 長持ちしてくれれば、それだけ長期間に渡って建物の表面を保護してくれます。雨水に強い外壁塗料を探しているなら、無機塗料はおすすめです。

 これらの特徴はめったに確認することができない屋根でも活躍し、どちらかというと外壁よりも太陽光に晒され劣化しやすい屋根に高耐久な無機塗料を使用したいという方が多いように感じます。屋根と外壁は同時に塗装したほうが足場も1回で済むのでお勧めです。またこの際に屋根に劣化があれば合わせて補修したほうが良いので、塗装だけでなく屋根工事も行える業者の方がお薦めです。