無機塗料のデメリット

無機塗料は、ツヤに関する特徴があります。この塗料の場合、ツヤ消しは少々困難です。ツヤの程度を選ぶ事はできても、完全にツヤを消すのは難しいです。また数ある塗料の中でも、料金は少々高めになるデメリットもあります。

工事現場の足場

光沢を無くす事はできない

塗料によっては、光沢感を選ぶ事ができます。塗装がまぶしい光沢を発しているよりも、むしろ光沢が無い状態の方が良い事もあるでしょう。
ところで無機塗料は、その光沢を皆無にするのは少々困難です。この塗料にも、一応は5分艶や3分艶などを選ぶ事はできます。まぶしい光沢感には抵抗があるなら、3分艶あたりが検討されるでしょう。ですが3分艶にも、若干の光沢感はあります。
残念ながら無機塗料には、光沢がゼロのタイプはありません。ですから独特のまぶしい光沢感には抵抗がある場合、無機塗料は不向きです。

木製とガルバリウムとの相性はあまり良くない

ところで住宅の外壁の素材は、色々あります。木製の壁もあれば、ガルバリウムなどの壁もありますし、やや柔らかい素材の壁もあります。種類は多彩なのです。
無機塗料の場合は、木製の壁には不向きな一面があります。また上述のガルバリウムとの相性もあまり良くありません。その2つの外壁の場合は、無機塗料は使用できないデメリットがあります。

ひび割れしやすい

ところで無機塗料の塗膜は、やや硬めになります。ですから他の塗料と比べると、ややヒビが入りやすい傾向があります。無機塗料のデメリットの1つなのです。
硬い塗膜と聞くと、いかにも頑丈なように聞こえる事もありますが、実際はそうではありません。塗膜が硬いと、外壁による影響を受けやすくなるのです。
そもそも外壁は、必ずしもヒビなどが入らないとは限りません。紫外線や雨水などの影響により、状態が悪くなってしまうケースは多々あるのです。時には、外壁が割れてしまう事もあります。
外壁の割れは、無機塗料の塗膜にも影響を及ぼしてしまうのです。外壁の巻き添えになってしまい、ヒビが入ってしまう事もあるのは、無機塗料のデメリットの1つなのです。
有機塗料などは、そうではありません。確かに有機塗料は、紫外線などの影響を受けやすいデメリットはあります。その代わり、無機塗料よりもひび割れしづらい傾向があるのです。ヒビが入ってしまうのは困る場合、むしろ有機塗料の方が良い事もあります。

壁に雨水が当たらないと低汚染性能を発揮できない

ところで無機塗料には、低汚染性能があります。雨水が当たる事によって、汚れなどを洗い流してくれる性能があるのです。さながら雨水というシャワーが当たる事により、汚れが洗い落とされるイメージになります。
それ自体のメリットは、とても大きいのです。壁にあまり汚れが付いてしまうと、寿命を縮めてしまいます。
しかし低汚染性能が発揮されるのは、条件もあるのです。雨水が当たらないような環境ですと、せっかくの洗浄能力が発揮されない事があります。
例えば住宅によっては、軒がかなり張り出している事があります。傘が十分に張り出しているような状態ですと、無機塗料が塗られた箇所に雨水が当たる事はありません。壁に雨水が当たってくれなければ、シャワーで壁が綺麗になる事もありません。
ですから軒が大きく張り出しているような住宅には、やや不向きな一面があります。

塗るのは少々難しい

また無機塗料には、職人にとってのデメリットもあります。他の塗料と比べると、やや技術が求められるのです。
同じ塗料でも、有機塗料はそこまでハイレベルな技術は求められません。比較的簡単に施工できる塗料だからです。
このため職人の技術レベルが低いと、無機塗料の発揮しきれない事があります。

塗料の色が限られてしまう

無機塗料には、選択肢の幅広さに関するデメリットもあります。色合いは、若干限定されてしまうからです。
そもそも無機塗料は、登場してからあまり年数が経過していません。それだけに、塗料のラインナップも少々少ないのです。自分好みの色合いの塗料を見つけるのは、やや難しい事があります。
他の塗料の場合は、そうとは限りません。登場してから年数がかなり長く経過している塗料ですと、すでに色々なタイプが登場していますので、自分好みの色を見つけられる事も多いです。

他の塗料よりは割高

そして無機塗料には、価格に関するデメリットがあります。
塗料は、それぞれ単価は異なるのです。比較的安い単価での施工が可能な塗料もあれば、そうでない塗料もあります。
10坪ぐらいの面積ですと、アクリルやウレタンなどの塗料は8万円ぐらいで済むことが多いです。シリコンでも、10万円台前半になる傾向があります。しかし無機塗料の場合は、20万円台を超えてしまう事が多いのです。数ある塗料の中でも、単価が一番高めなタイプになります。
確かに無機塗料は、紫外線には強いメリットはあります。性能が優れている分だけ、単価も高めになってしまうデメリットもあるのです。